TAKA TIMES 27 /21_11

貴 純米酒
新酒 新嘗祭
コシヒカリ(山口県産)100%
1,650円

01
酵母が活きたまま
出荷される生酒

今号は2021年新酒造りに関しての私たちの新しいチャレンジについてお話しします。
一つの前提として新酒=生酒とは、酒造りの過程で加熱殺菌をしない酒、つまり麹菌の働きを最後まで止めずに仕上げる日本酒を指します。
搾りたての生酒の旨みは格別で、多くの日本酒ファンに生酒を待ち侘びていただけるのは、味はもとよりこの時期にしか味わえないという特別感も理由の一つではないかと思います。
一方、その寿命の短さは、一握りの方にしか搾りたてを味わっていただけないということでもあり、国内遠方をはじめ、海外への流通を困難にさせてしまっている理由にもなっています。最近では、品質保管を心がける輸送方法などによって、より出来たての味に近いものをお客様に届ける環境ができてはいるものの、搾りたての味との違いはどうしても致し方なく、それが私たち酒蔵の永遠のジレンマになっているのです。

お客さまの口に入るときに
本来の生酒の新鮮さを
味わうことはできないだろうか?

実際に搾りたての生酒を流通にのせ、お客様の手元に届くまで早くても1ヶ月。この熟成が進みつづける時間をどう埋めるかを考えた時、私たちは「1ヶ月後」がこれまでの出荷時点の飲み頃になるような酒造りができないかと考えました。
通常使用する9号酵母で造った生酒は、ある程度時間が経つと特有の生熟成香が出てしまいます。この生熟成香の元になる酵素反応を抑えるためには、甘さと乳酸のバランスを保つ「酸」が必要になります。そこで、今年の新酒はクエン酸を出させるための特別な麹菌を使用しました。レモンに代表されるクエン酸を出すことで、「伸びる甘さ」と酸をバランスよく抑制させ、しっかりとした輪郭を持った酒に仕上げようと考えたのです。その結果、ある一定期間(1〜2ヶ月を設定しています)ほぼ出来たての味を損なわない生酒ができたのではないかと思います。
※甘さが伸びるとは:麹菌が糖化酵素を作ることで米に含まれるデンプンを糖に変え続ける作用のことです。通常の酒造りでは、あるタイミングで加熱殺菌をしてその働きを失活させるのですが、生酒の場合は加熱をせず糖を作り続けていきます。この反応を甘さが伸びると表現しています。

自然のなりゆきに任せるだけでなく
化学の力で補ってみる

私たちが作りたい日本酒の基本思想には、Think Globally, Act Locallyがあります。自然のメガニズムの中で育った米を尊重しながらも、海外でも同じ美味しさを届けたいという思いが心のどこかにあり、2021年の新酒にはその思いが込められています。
自然の力の「なりゆき」に任せるだけではなく化学の力を理解し補うことで、蔵元が飲んで美味しいと感じる酒そのままを、お客様に届けるために。そんなゴールを見据え、私たちのチャレンジはこれからも続きます。2021年 初しぼり、ぜひ。

貴と話そう!『これからの日本酒。』
02 2021年 車地田圃情報

私たちが育てた車地の米が
特等を取得しました!

永山本家酒造場の蔵の南に位置する「沖の須賀」の田でとれた山田錦が、この度特等を取得しました。一般に米にはランクがあり、飯米では1等が一番上、酒米にはその上に特等・特上があります。特上はほぼ流通する酒には使用できないほど稀と言われており、特等が事実上トップクラスの米と言っても過言ではありません。

以前は長年米造りのに従事してきた経験者の手を借り、特等の取得も何度かしてきましたが、2年前から経験の浅い若い二人のスタッフにバトンを渡し、米の栽培・管理を進めてきました。水の管理をはじめとした彼らの日々の試行錯誤の結果として、今回特等を取得できたことは、私たちにとっても大きな誇りであります。
特等とは、一般的に大粒で芯がしっかりとし、硬質で低タンパク質の米になります。なおかつその整粒率が80%以上に限られます。

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